以前お伺いした施工現場でご一緒させていただいた老舗の家具会社の方のご両親のお住まいのフローリングの補修案件です。
幅の広い掃き出し窓のフローリングなのですが、日当たりが良いためその場所でゴムのマットの上に鉢植えを並べられていたとの事で、行き場のなくなった水分がマットの下でフローリングを劣化させてしまったらしく、部分的にフローリングのクリア層が剥がれてしまっている状況でした。また傷もそこかしこにありました。
掃き出し窓の幅全体に劣化していたのですが、施工前のクローズアップがこちら👇
いつもはなるべく小さく施工するためダメージを受けている部分のみサンディングで削り落とすのですが、今回は施工対象が数多く、かつ広範囲にまたがっていたため、最終的に均一で綺麗な仕上がりにするためフローリングのレーンにして7本分、2.5ⅿ位の幅で全体のクリア層を一気に剥離剤で剝がすことにしました。
まずはホコリ等が入らないようにいつものように念入りに周囲も含めてクリーニングをし、対象エリア外の影響を出したくないところに厳重にマスキングをします。使われていたフローリングのクリアが硬いものだったので強力な剥離剤を使用して対象エリアのクリア層を全体的に溶かし、母材に影響しないように金属ヘラで集めて捨てた上でタオルで水拭きをします。しっかり乾燥させた後、傷になってしまっている部分は充填剤を埋め、平らな面を作っていきます。
今回仕上げには強度のあるウレタン系のコーティングを使用したいので、面出しをした後ウレタンクリア用の下塗り塗料を塗り、再度しっかり乾燥させます。表面のがさつきをサンディングで修正した後、色の落ちてしまっている所や充填剤を埋めたところの色を調整していきます。
全体の色調整が出来上がったら依頼主に色目を確認していただき、OKをいただいた後に色を固着させ、予定通り厚みの稼ぐことのでき強度が期待できる水性ウレタン塗料で仕上げます。
施工後がこちら👇
一度コーティングしたウレタン塗料ですが周りにくらべ若干ツヤが落ちていたので、すこしツヤを上げたウレタン塗料で再度コーティングしています。今回仕上げで使用した塗料は完全に乾燥させるのに時間がかかるので、依頼主に「立ち入り禁止」の注意書きを作っていただきました。上の写真はまだコーティングが乾ききっていない段階で撮ったものです。
今回は依頼主のお子様(男の子双子!)がまだ小さかった頃に作った傷があちこちにあり、多数の傷補修と広範囲の色合わせで時間はかかりましたが、うまく馴染ませることができました。作業中奥様がお子様が小さかった頃まさにこの場所でよく遊んでいたとのお話を聞かせてくれ、大事な思い出のある場所をよみがえらせることに大きな喜びを感じました。
フローリングなど大事に使われていても思わぬこと(特に水分は大敵です)で劣化を引き落としてしまうことがありますが、張り替えでなく部分補修をすることで安価にかつ綺麗に仕上げてお部屋の印象を蘇らせることができます。気になる傷、シミ、退色、割れ等々がありましたら遠慮なく一度ご相談ください。江東区、墨田区、中央区、江戸川区を中心に東京23区から承っております。
良いものを長くお使いになるお手伝いができれば幸いです。